きのね 寒天あそび②~識別系を育てるあそび~
寒天あそびのラストには、こんなゲームをしました。
寒天の中に、小さなおもちゃを隠し、そのおもちゃを探し出すゲームです。
みんな必死てす!
やったー!見つけた!!
全部見つかるまで、諦めずに探しました。
このあそびのねらいは、「識別系」という脳の機能を育てることです。
特別な支援が必要な子の中には、触覚などの感覚につまずきを抱えていることで、「原始系」という、本能的な脳の働きが優位になっている子が多くいます。
「原始系」の働きは、分かりやすく言えば、動物が生き残るために本能的に備わっている働きのことです。
動物は、喰うか喰われるかの世界。
生き残るために、食糧になるものが見つかれば、本能的に取り込もうとします。
また、逆に襲われれば、反射的に逃げるか、相手を攻撃します。
生き残るために、獲物はいないか、襲ってくるものはいないか、常にセンサーを張り巡らせているのです。
この「原始系」の働きが優位になっていることで、自分のペースを乱されたり、否定されたり、パーソナルスペースに入ってこられると、反射的に相手に噛みついたり、引っ掻いたりしてしまうお子さんがいます。
反射的ということは、無意識です。頭では分かっていても体が勝手に反応して相手を傷つけてしまうことがあるのです。
この、自分を守るための反射的な行動は、触覚防衛反応とも呼ばれます。
それで、多くのお子さんが困っています。
それでは、この「原始系」の働きをなくしていくにはどうしたらいいのでしょうか?
「原始系」は、下位の脳といわれる、「脳幹」で働きます。
高度な脳の「大脳」で働く「識別系」という機能が発達してくると、「原始系」の働きを押さえてくれます。
「識別系」とは、例えばカバンの中から見なくても手探りでスマホを取り出せるような働きのことです。
「識別系」が育ってこれば、「原始系」の働きにブレーキをかけられる、というわけです!
「識別系」を育てるには、意識的に物をさわって形を当てるなど、意識的に触覚を使っていくことが大切になってきます。
そこで、この寒天あそびの中に、宝探しゲームを取り入れました!
巾着袋の中に、いろいろな素材の、いろいろな形の物を入れておいて、手探りで探し当てる、というようなあそびも手軽にできますよ。
きのねでは、様々なイベントを企画していきますが、「楽しい!」はもちろん、楽しくあそびながら、子どもたちの生きづらさ軽減していけるような活動に取り組んでいきたいと思います。